「福島瑞穂大臣と語る 女も男も生きやすい社会」(全国フェミニスト議員連盟)が、1月9日、東京都文京区男女平等センターで開催されました。
全国フェミニスト議員連盟
http://www.afer.jp/news/index.html
福島さんは、当連盟の顧問でもいらっしゃいます。福島さんの担当は、消費者、男女共同参画、少子化対策、自殺対策と、幅広く国民生活に関係がある分野です。
男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/
以下は、お話の概要です。
10年間で立ち遅れた男女共同参画
日本では、第一子出産後に女性の7割が仕事をやめており、いわゆる「M字カーブ」が健在であり、再就職後は低賃金になっている。
第1-特-26図 子どもの出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h21/zentai/html/zuhyo/zuhyo026.html
第1-特-21図 女性の年齢階級別労働力率(国際比較)
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h21/zentai/html/zuhyo/zuhyo021.html
その結果、日本は女性の貧困率が高い。これは、高齢になるほど、低賃金が響いて年金額が低いためだ。M字カーブを台形に近づけるようにしたい。自民党政権では男女共同参画がバッシングにあっていたので、復活させたい。少子化対策、ワークライフバランス、男女共同参画の課題をセットで取り組み、解決したい。
日本が女性差別撤廃条約の選択議定書を批准していないのは恥ずかしいことである。このままでは2020年までに意思決定に参画する女性の割合を3割に、というビジョンも実現できそうもない。ジェンダーエンパワーメント指数が57位である。国会議員の女性の数も少ない。
女性にも男性にも暮らしやすいフランス
お正月にフランスを視察した。
フランスでは、民間企業における取締役会・管理職について、クオータ制法案を実施するかもしれず、実現すれば日本企業へのインパクトも大きいのではないか? フランスでは10兆円の「子ども基金」があり、財源の75%を企業が出している。
フランスの場合は、子どもが病気なら仕事を休めるので、病児保育もない。また、ノルウェーでは、エネルギー担当大臣が30代の女性で、産休をとっても誰もとがめない。
女性や子どもに優しい社会は男性にも優しい社会であり、ゆったりした社会である。大人にとっても「子どもが負担となる社会」にしないことが大事だ。
私立保育所一般財源化には反対
保育所不足は深刻であり、東京などは空き教室を使っている。今、内閣府として、その辺を文部科学省とも交渉している。総務省は私立保育所への補助金も一般財源化しようとしている。厚生労働省とスクラムを組んで、これを阻止している。公立保育所への負担金を一般財源化してしまってから、公立保育所予算を自治体が大きく削ってしまった。私立までそうなってはいけない。
実効性ある施策を
政権交代後、母子加算を復活し、児童扶養手当を男性にも支給するようになった。自分が大臣のときにできるかぎりのことをしようとおもっている。
今までの(自民党時代の)内閣府の「思い」自体は悪くはないが、実効性がない。意識改革、キャンペーンも大事だが制度改革や、企業に対する働きかけも大事だ。
企業に行動パターンを変えてもらうしかない。自治体では、子育て支援・ワークライフバランスなどで、企業に対して多様な認証制度をやっている。国レベルで認証制度が出来ないか、検討している。
公共事業の入札に加点した結果、建設会社も変わってきた例も地方ではある。(正規・非正規の)格差問題も均等待遇と叫ぶより制度が有効だ。野田市では公契約条例を制定している。
また、我孫子市には36歳~45歳までの女性に限って職員を募集したら優秀な女性ばかりが集まってきた。やる気、生活感覚、根性がある人が集まる。これを実施した福嶋浩彦・元我孫子市長らを内閣府の参与にしている。
意思決定には当事者を大きく入れて変える必要がある。たとえば、障がい者問題で当事者も入れて議論するようになっているが、当事者は男性ばかりが集まってしまう。女性からも意見を聞くようにしたい。
女子差別撤廃条約の選択議定書については、今国会で実現したい。DV防止法の改正も考える。性差医療などにも取り組みたい。
男女共同参画の裾野を広げよう
さらに、香山リカさん、デザイナーの佐藤可士和さん、資生堂の前田社長らをメンバーに「男女共同参画を進める会」をつくっている。
男女共同参画について、「あ、わたしのことだ」「俺のことだ」と思ってもらうよう裾野を広げたい。
そのために、多様な形態の集会を行う。2009年12月には「女性首長大集合 地域・子育て・男女共同参画」を開催し、参加者の75%が、「女性集会に初参加」という方だった。多様な形態の集会も開催したい。2010年は、成果を出していきたい。
各地の活動家から福島大臣に要望
各地の参加者からも要望がありました。
高知の木村昭子さんは、「もっと内閣府でも地方で活躍するNPOから意見聴取をしてほしい。また、地方に対して男女共同参画課の設置を義務付け、ないし努力義務を課してほしい」と要望。この高知市では、女性政策課が廃止される予定です。
函館市議の竹花郁子さんは、函館市では、「意思決定に占める女性比率」を「防災会議、交通安全会議、国民保護協会」を除外して計算しています。これらは、関係行政機関のトップの「充て職」のために女性がゼロの分野になっているということで「国で是非、制度を変えてほしい」。さらに、「DV被害者向けのシェルターの事務所費や人件費に補助をしてほしい」と要望しました。
富山県高岡市から来た山下清子さんは、「学習した女性を活かす仕組みがほしい。若い男性で男女共同参画をわかろうとしている人もいる。そういうひとを委員にしてほしい。行政職員の意識が古い。地方分権というけれども、福島さんにはこうした地方の現実を踏まえてほしい」と、地方分権がはやし立てられる風潮に苦言を呈しました。
香川県議の渡辺さと子さんは、今年夏の香川県知事選挙に立候補表明するに至った経緯を説明しました。
香川県知事選、「発言最多」県議の渡辺さと子さん名乗り
http://www.news.janjan.jp/election/0912/0912294885/1.php
「もっと国の指導力を」・・・各地から要望
会場からもさまざまな声がありました。この日、参加されていた、赤松良子・元文部大臣が「後輩になる福島さんが、社民党党首から、大臣になって、いままでは、野党として批判しているだけでよかったのに今度は自分で政策を実現しなくてはならない。大丈夫かしら?と心配していたが、なんとかなっているようで、安心した」と持ち上げつつ、「ただ一つ福島さんが書かれたものの中で気になることがあった。『我が国の女子差別撤廃条約実施状況報告に対する最終見解について』という文書において、『教育分野における男女共同参画のさらなる推進』と書かれているが、国連から来たものを直接読んでみると、そんな生易しいものではなく、安倍政権が、教育基本法を改悪したことに対して、ひどいと抗議し、差別撤廃条約にある『学校では、男女共学が保証される』をきちんと守るようにとあり、これがこの最終見解の一番大切なところだ」と叱咤激励しました。
この春から官僚になる予定のある女性は、就職活動(俗に言う官庁訪問)で内閣府を回った際、面接官の男性職員に、自分の専攻について、「ジェンダーって何ですか?」と聞かれたそうです。「担当官庁なのだから、ちゃんと研修をしてほしい」と要望しました。
千葉県の参加者からは、2009年4月、森田健作知事が就任した後、混合名簿廃止が検討されるなど、施策後退への危惧が表明されました。
男性の障がい者の方からも、「もっと障がい者の女性の議員がいてほしいのに地元の市議が辞めてしまったのは残念」という声がありました。
わたしも、広島県で昨年度、青少年問題についてのシンポジウムが開催されたが、8人のパネラーが全員男性になっていたことを報告
「男だらけ」の内閣府研修会に物申してみたら
http://www.news.janjan.jp/culture/0903/0902268368/1.php
マスコミや大学教授など、東京のインテリの中には地方(分権)を過剰に持ち上げる向きもあるが、男女平等や子育て支援などの分野では、もっと国による指導力も必要ではないか、と申し上げました。
大臣は、会場からの発言に対し、熱心にメモを取っておられました。
新政権による予算が執行される2010年。自民党政権下では、隔靴掻痒(かっかそうよう)の感が強く、お隣の韓国にも遅れを取っている部分も多い男女共同参画。今年はこの分野でも「政治主導」が発揮され、福島大臣も決意された、「実効性のある」施策が、打ち出される事を期待しましょう。
◇記者の「ブログ」「ホームページ」など
広島瀬戸内新聞ニュース
http://hiroseto.exblog.jp
全国フェミニスト議員連盟
http://www.afer.jp/news/index.html
福島さんは、当連盟の顧問でもいらっしゃいます。福島さんの担当は、消費者、男女共同参画、少子化対策、自殺対策と、幅広く国民生活に関係がある分野です。
男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/
以下は、お話の概要です。
10年間で立ち遅れた男女共同参画
日本では、第一子出産後に女性の7割が仕事をやめており、いわゆる「M字カーブ」が健在であり、再就職後は低賃金になっている。
第1-特-26図 子どもの出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h21/zentai/html/zuhyo/zuhyo026.html
第1-特-21図 女性の年齢階級別労働力率(国際比較)
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h21/zentai/html/zuhyo/zuhyo021.html
その結果、日本は女性の貧困率が高い。これは、高齢になるほど、低賃金が響いて年金額が低いためだ。M字カーブを台形に近づけるようにしたい。自民党政権では男女共同参画がバッシングにあっていたので、復活させたい。少子化対策、ワークライフバランス、男女共同参画の課題をセットで取り組み、解決したい。
日本が女性差別撤廃条約の選択議定書を批准していないのは恥ずかしいことである。このままでは2020年までに意思決定に参画する女性の割合を3割に、というビジョンも実現できそうもない。ジェンダーエンパワーメント指数が57位である。国会議員の女性の数も少ない。
女性にも男性にも暮らしやすいフランス
お正月にフランスを視察した。
フランスでは、民間企業における取締役会・管理職について、クオータ制法案を実施するかもしれず、実現すれば日本企業へのインパクトも大きいのではないか? フランスでは10兆円の「子ども基金」があり、財源の75%を企業が出している。
フランスの場合は、子どもが病気なら仕事を休めるので、病児保育もない。また、ノルウェーでは、エネルギー担当大臣が30代の女性で、産休をとっても誰もとがめない。
女性や子どもに優しい社会は男性にも優しい社会であり、ゆったりした社会である。大人にとっても「子どもが負担となる社会」にしないことが大事だ。
私立保育所一般財源化には反対
保育所不足は深刻であり、東京などは空き教室を使っている。今、内閣府として、その辺を文部科学省とも交渉している。総務省は私立保育所への補助金も一般財源化しようとしている。厚生労働省とスクラムを組んで、これを阻止している。公立保育所への負担金を一般財源化してしまってから、公立保育所予算を自治体が大きく削ってしまった。私立までそうなってはいけない。
実効性ある施策を
政権交代後、母子加算を復活し、児童扶養手当を男性にも支給するようになった。自分が大臣のときにできるかぎりのことをしようとおもっている。
今までの(自民党時代の)内閣府の「思い」自体は悪くはないが、実効性がない。意識改革、キャンペーンも大事だが制度改革や、企業に対する働きかけも大事だ。
企業に行動パターンを変えてもらうしかない。自治体では、子育て支援・ワークライフバランスなどで、企業に対して多様な認証制度をやっている。国レベルで認証制度が出来ないか、検討している。
公共事業の入札に加点した結果、建設会社も変わってきた例も地方ではある。(正規・非正規の)格差問題も均等待遇と叫ぶより制度が有効だ。野田市では公契約条例を制定している。
また、我孫子市には36歳~45歳までの女性に限って職員を募集したら優秀な女性ばかりが集まってきた。やる気、生活感覚、根性がある人が集まる。これを実施した福嶋浩彦・元我孫子市長らを内閣府の参与にしている。
意思決定には当事者を大きく入れて変える必要がある。たとえば、障がい者問題で当事者も入れて議論するようになっているが、当事者は男性ばかりが集まってしまう。女性からも意見を聞くようにしたい。
女子差別撤廃条約の選択議定書については、今国会で実現したい。DV防止法の改正も考える。性差医療などにも取り組みたい。
男女共同参画の裾野を広げよう
さらに、香山リカさん、デザイナーの佐藤可士和さん、資生堂の前田社長らをメンバーに「男女共同参画を進める会」をつくっている。
男女共同参画について、「あ、わたしのことだ」「俺のことだ」と思ってもらうよう裾野を広げたい。
そのために、多様な形態の集会を行う。2009年12月には「女性首長大集合 地域・子育て・男女共同参画」を開催し、参加者の75%が、「女性集会に初参加」という方だった。多様な形態の集会も開催したい。2010年は、成果を出していきたい。
各地の活動家から福島大臣に要望
各地の参加者からも要望がありました。
高知の木村昭子さんは、「もっと内閣府でも地方で活躍するNPOから意見聴取をしてほしい。また、地方に対して男女共同参画課の設置を義務付け、ないし努力義務を課してほしい」と要望。この高知市では、女性政策課が廃止される予定です。
函館市議の竹花郁子さんは、函館市では、「意思決定に占める女性比率」を「防災会議、交通安全会議、国民保護協会」を除外して計算しています。これらは、関係行政機関のトップの「充て職」のために女性がゼロの分野になっているということで「国で是非、制度を変えてほしい」。さらに、「DV被害者向けのシェルターの事務所費や人件費に補助をしてほしい」と要望しました。
富山県高岡市から来た山下清子さんは、「学習した女性を活かす仕組みがほしい。若い男性で男女共同参画をわかろうとしている人もいる。そういうひとを委員にしてほしい。行政職員の意識が古い。地方分権というけれども、福島さんにはこうした地方の現実を踏まえてほしい」と、地方分権がはやし立てられる風潮に苦言を呈しました。
香川県議の渡辺さと子さんは、今年夏の香川県知事選挙に立候補表明するに至った経緯を説明しました。
香川県知事選、「発言最多」県議の渡辺さと子さん名乗り
http://www.news.janjan.jp/election/0912/0912294885/1.php
「もっと国の指導力を」・・・各地から要望
会場からもさまざまな声がありました。この日、参加されていた、赤松良子・元文部大臣が「後輩になる福島さんが、社民党党首から、大臣になって、いままでは、野党として批判しているだけでよかったのに今度は自分で政策を実現しなくてはならない。大丈夫かしら?と心配していたが、なんとかなっているようで、安心した」と持ち上げつつ、「ただ一つ福島さんが書かれたものの中で気になることがあった。『我が国の女子差別撤廃条約実施状況報告に対する最終見解について』という文書において、『教育分野における男女共同参画のさらなる推進』と書かれているが、国連から来たものを直接読んでみると、そんな生易しいものではなく、安倍政権が、教育基本法を改悪したことに対して、ひどいと抗議し、差別撤廃条約にある『学校では、男女共学が保証される』をきちんと守るようにとあり、これがこの最終見解の一番大切なところだ」と叱咤激励しました。
この春から官僚になる予定のある女性は、就職活動(俗に言う官庁訪問)で内閣府を回った際、面接官の男性職員に、自分の専攻について、「ジェンダーって何ですか?」と聞かれたそうです。「担当官庁なのだから、ちゃんと研修をしてほしい」と要望しました。
千葉県の参加者からは、2009年4月、森田健作知事が就任した後、混合名簿廃止が検討されるなど、施策後退への危惧が表明されました。
男性の障がい者の方からも、「もっと障がい者の女性の議員がいてほしいのに地元の市議が辞めてしまったのは残念」という声がありました。
わたしも、広島県で昨年度、青少年問題についてのシンポジウムが開催されたが、8人のパネラーが全員男性になっていたことを報告
「男だらけ」の内閣府研修会に物申してみたら
http://www.news.janjan.jp/culture/0903/0902268368/1.php
マスコミや大学教授など、東京のインテリの中には地方(分権)を過剰に持ち上げる向きもあるが、男女平等や子育て支援などの分野では、もっと国による指導力も必要ではないか、と申し上げました。
大臣は、会場からの発言に対し、熱心にメモを取っておられました。
新政権による予算が執行される2010年。自民党政権下では、隔靴掻痒(かっかそうよう)の感が強く、お隣の韓国にも遅れを取っている部分も多い男女共同参画。今年はこの分野でも「政治主導」が発揮され、福島大臣も決意された、「実効性のある」施策が、打ち出される事を期待しましょう。
◇記者の「ブログ」「ホームページ」など
広島瀬戸内新聞ニュース
http://hiroseto.exblog.jp
