筆者はスキーが大好きだ。けっして得意ではないが、ある映画を観たことがきっかけでスキーを始めるようになり、それ以来、病みつきになっている。そして、今年、その映画でプロスキーヤーの腕を披露して、筆者をスキーに連れてってくれたスキーヤーと対面した。場所は山形県は湯殿山スキー場だ。
その人とは、渡部三郎プロである。渡部氏はスキー界では大御所と呼ばれたほど有名なプロスキーヤーだが、現在は現役を引退して湯殿山スキー学校の親方をしている。その渡部氏が登場した映画とは何かというと1987年公開の「私をスキーに連れてって」である。この映画は、筆者を含め多くの人々にスキーをするきっかけを与えてくれた映画だった。内容は、三上博史演じる普段は冴えないが、スキーはプロ級の主人公がスキー場で偶然出会った原田知世演じる女性と恋に落ちて、スキーを通して愛を深めていくというストーリー。バブル景気といわれた当時の若者の豊かな生活と豪快なスキーシーンが印象に残る。筆者は、湯殿山スキー学校のキャンプに参加、渡部氏と交流した。
渡部氏は、この映画で主演の三上博史のスキーシーンの吹き替えを担当した複数のスキーヤーの一人であった。筆者は、映画のDVDをもっていき、一緒に観賞、撮影当時の話しを聞かせて貰った。渡部氏は、よく見ると三上博史に体格も顔付きも似ている。同じスキーウエアにゴーグルを身につければ見分けがつかないな、と思った。
渡部氏にとっても、この映画は思い出深いものだという。というのは、当時、撮影の合間に出場した技術選で優勝したからだ。撮影は、映画の俳優たちとは離れ渡部氏は山小屋に宿泊して撮影を受けたという。
渡部氏が吹き替えの担当となったのは、映画で一番最初に出てくるスキーシーンと、クライマックスの志賀-万座ツアーコースでの夜間の照明灯を背中にしょって一人で滑るシーンである。ちなみに渡部氏自身は、撮影においても、その前後も、同コースを滑ったことは一度もないそうである。筆者にとっては、憧れの映画の影武者的な出演者に出会えたことで、とても思い出深いスキー旅行になった。出会った記念にツーショット撮影とDVDにサインをして貰った。


さて、湯殿山のスキー場のあと、筆者はバスを乗り継いで約2時間半、蔵王温泉スキー場に移り温泉と樹氷を眺めながらのスキーを楽しんだ。樹氷は、年に数回、晴れた時にしか見られないと聞いていたので非常にラッキーだった。蔵王ではスキーだけではなく、硫黄の匂いがする「かけ流し」の温泉も楽しめる。スキーは本当に楽しい。そして、同時に思ったことがある。ああ、こんなスキーと温泉が楽しめる日本に生まれて本当によかった。
スキーというと雪の降るところならどこでも出来ると思われがちだが、それだけではなく、滑走のできる標高の高い山岳地帯がなければならない。その点、日本には積雪のある寒冷地帯があり、湿気が多く、その湿気が山肌にぶつかり滑走ができるほどの積雪のできる高い山々のある地形が存在する。そのうえ、温泉も楽しめるのだ。
日本という国には、沖縄のように珊瑚礁の海が美しく、年中、海水浴のできる温暖なところがあると思えば、湯殿山や蔵王温泉を含め、雪がどっぷり積もり、スキーと、その後の疲れを癒す温泉のある場所が存在する。実にいい国だ。
しかし、最近、スキーは、かつてのようなブームが終わり、今やスキー人口は最盛期の半分になったといわれる。レジャー志向の変化もあるが、大きいのはスキーを楽しめるほど若い世代が経済的に豊かではなくなったためだと思う。蔵王温泉でたまたま一緒に湯に浸かった熟年のスキーヤーと話しをしたが、その人は「自分たちの若い世代に比べ今の世代は非常に大変だと思う。我々の世代は、たまたま経済のいい時期だった。特にバブルの頃は夢のようだった」と言った。
今や若い世代はワーキングプアと呼ばれるほど収入が落ち込み、バブル時代の若者と違い高価なスキー用具やスキーリゾートにくり出すためのお金を出す余裕などなくなってしまった。スキーよりも、職や収入を得ることを考えなければいけないほど過酷な時代だ。映画「私をスキーに連れてって」は比較の意味で感慨深いものだ。ところで、筆者は、自身のブログでスキーブームのバブル時代と現代の比較をテーマにした小説を綴った。
「私を「スキーに連れてって」の時代に連れてって」
http://masagata.exblog.jp/11847210/
読んで、そんなところを考えて貰えると嬉しい。
もっとも、お金がかかる以外にスキーが敬遠される理由はある。寒冷の高地ため都市部からのアクセスが悪いこと、板などの重い用具を持ち歩かなければならないこと、滑るときは厚着を着なければいけないなど、面倒くささに問題があるらしい。
それでも、いざ高地からの白銀の絶景を眺めながら滑り始めると、そんな「面倒だ」と思う気分など一気に吹っ飛ぶ。それだけの快感を味合わせてくれるのが、スキーの魅力だ。そして、その快感が人々に未来への希望を持たせてくれるように思う。

筆者の体験からすれば、崖から飛び降りそうな傾斜と足を救われるほどの深雪と格闘しながらも滑りきった体験が、今後の人生において、どんな困難にでも立ち向かえるだけの勇気を与えてくれたように思う。
さあ、どうだろう。みんなも、スキーに連れてって貰おうではないか。
その人とは、渡部三郎プロである。渡部氏はスキー界では大御所と呼ばれたほど有名なプロスキーヤーだが、現在は現役を引退して湯殿山スキー学校の親方をしている。その渡部氏が登場した映画とは何かというと1987年公開の「私をスキーに連れてって」である。この映画は、筆者を含め多くの人々にスキーをするきっかけを与えてくれた映画だった。内容は、三上博史演じる普段は冴えないが、スキーはプロ級の主人公がスキー場で偶然出会った原田知世演じる女性と恋に落ちて、スキーを通して愛を深めていくというストーリー。バブル景気といわれた当時の若者の豊かな生活と豪快なスキーシーンが印象に残る。筆者は、湯殿山スキー学校のキャンプに参加、渡部氏と交流した。
渡部氏は、この映画で主演の三上博史のスキーシーンの吹き替えを担当した複数のスキーヤーの一人であった。筆者は、映画のDVDをもっていき、一緒に観賞、撮影当時の話しを聞かせて貰った。渡部氏は、よく見ると三上博史に体格も顔付きも似ている。同じスキーウエアにゴーグルを身につければ見分けがつかないな、と思った。
渡部氏にとっても、この映画は思い出深いものだという。というのは、当時、撮影の合間に出場した技術選で優勝したからだ。撮影は、映画の俳優たちとは離れ渡部氏は山小屋に宿泊して撮影を受けたという。
渡部氏が吹き替えの担当となったのは、映画で一番最初に出てくるスキーシーンと、クライマックスの志賀-万座ツアーコースでの夜間の照明灯を背中にしょって一人で滑るシーンである。ちなみに渡部氏自身は、撮影においても、その前後も、同コースを滑ったことは一度もないそうである。筆者にとっては、憧れの映画の影武者的な出演者に出会えたことで、とても思い出深いスキー旅行になった。出会った記念にツーショット撮影とDVDにサインをして貰った。

筆者と渡部三郎プロ(今年2月初旬撮影)

渡部プロにサインをして貰ったDVD(撮影・海形マサシ)
さて、湯殿山のスキー場のあと、筆者はバスを乗り継いで約2時間半、蔵王温泉スキー場に移り温泉と樹氷を眺めながらのスキーを楽しんだ。樹氷は、年に数回、晴れた時にしか見られないと聞いていたので非常にラッキーだった。蔵王ではスキーだけではなく、硫黄の匂いがする「かけ流し」の温泉も楽しめる。スキーは本当に楽しい。そして、同時に思ったことがある。ああ、こんなスキーと温泉が楽しめる日本に生まれて本当によかった。
スキーというと雪の降るところならどこでも出来ると思われがちだが、それだけではなく、滑走のできる標高の高い山岳地帯がなければならない。その点、日本には積雪のある寒冷地帯があり、湿気が多く、その湿気が山肌にぶつかり滑走ができるほどの積雪のできる高い山々のある地形が存在する。そのうえ、温泉も楽しめるのだ。
日本という国には、沖縄のように珊瑚礁の海が美しく、年中、海水浴のできる温暖なところがあると思えば、湯殿山や蔵王温泉を含め、雪がどっぷり積もり、スキーと、その後の疲れを癒す温泉のある場所が存在する。実にいい国だ。
しかし、最近、スキーは、かつてのようなブームが終わり、今やスキー人口は最盛期の半分になったといわれる。レジャー志向の変化もあるが、大きいのはスキーを楽しめるほど若い世代が経済的に豊かではなくなったためだと思う。蔵王温泉でたまたま一緒に湯に浸かった熟年のスキーヤーと話しをしたが、その人は「自分たちの若い世代に比べ今の世代は非常に大変だと思う。我々の世代は、たまたま経済のいい時期だった。特にバブルの頃は夢のようだった」と言った。
今や若い世代はワーキングプアと呼ばれるほど収入が落ち込み、バブル時代の若者と違い高価なスキー用具やスキーリゾートにくり出すためのお金を出す余裕などなくなってしまった。スキーよりも、職や収入を得ることを考えなければいけないほど過酷な時代だ。映画「私をスキーに連れてって」は比較の意味で感慨深いものだ。ところで、筆者は、自身のブログでスキーブームのバブル時代と現代の比較をテーマにした小説を綴った。
「私を「スキーに連れてって」の時代に連れてって」
http://masagata.exblog.jp/11847210/
読んで、そんなところを考えて貰えると嬉しい。
もっとも、お金がかかる以外にスキーが敬遠される理由はある。寒冷の高地ため都市部からのアクセスが悪いこと、板などの重い用具を持ち歩かなければならないこと、滑るときは厚着を着なければいけないなど、面倒くささに問題があるらしい。
それでも、いざ高地からの白銀の絶景を眺めながら滑り始めると、そんな「面倒だ」と思う気分など一気に吹っ飛ぶ。それだけの快感を味合わせてくれるのが、スキーの魅力だ。そして、その快感が人々に未来への希望を持たせてくれるように思う。

蔵王の樹氷(2月初旬、撮影・海形マサシ)
筆者の体験からすれば、崖から飛び降りそうな傾斜と足を救われるほどの深雪と格闘しながらも滑りきった体験が、今後の人生において、どんな困難にでも立ち向かえるだけの勇気を与えてくれたように思う。
さあ、どうだろう。みんなも、スキーに連れてって貰おうではないか。
