徳永基二

 今週号の記事は注目の的だった。なにせ、2月3日、編集長山口一臣氏が次席検事の谷川恒太氏より出頭命令があり、出張中であるため出頭できない旨を伝えると抗議文が送付されてくる事件があったばかりだったからだ。
 
 結果はというと確かに今回、上杉隆氏による「抗議」への反論記事がある。さらにそもそもにして今回の小沢捜査が無理筋であったこと、「検察不況」という言葉があって「国民の多くはウンザリしていることだろう。」という記事がある。
 
 だが、その後の記事はどうだろう?「疑惑の深まる小沢のカネ」識者による両論併記なインタビュー記事、「それでも小沢が幹事長を辞める日」という記事
 
 ここ2、3週間の報道姿勢からの180度の方向転換に見える。勿論、双方の立場、両方から物事は見てみる必要がある。でなければ公平ではない。しかし、そこにななんら新しい事実は付け加わっていない。小沢のカネの流れが複雑だというのは前回の記事の時も前々回の記事の時も同じだった。同じ事実を前にして検察は不起訴を決定した。ならば明朗会計で合法だったと言えるはずだ。秘書の虚偽記載の形式的な問題しか残っていないはずだ。ではなぜ今更「建設業者も“お礼”か“見返り”を求めるからこそ無料奉仕するんですよ」とか「政治資金が非課税であることからも法を悪用している」とか「虚偽記入額も史上最高」とか「違法でないが公金横領」だの書く必要があるのか。
 
 「小沢が幹事長を辞める日」という記事もかなりひどい記事だ。石川氏の辞職勧告決議案を「最後までたなざらしで廃案になれば、民主党に自浄作用がないことが明らかになる。」「小沢さんが幹事長では参議院選は戦えない。本人もそう感じ始めているはず。ただ、不起訴でやめられないから別な理由を探さないと、そこが悩ましいところ」
 
 これが「裏献金の供述はゾンビ証言」「『おれたちの言うとおりにしないとこういう目に遭うぞ』と、他社を含めて暗に脅している」「特捜部暴発の計画的犯罪」「政治資金という形で献金したのは事実ですが、小沢氏に裏金を渡した事実はありません」(西松広報)「支持者脅し虚偽の自白」などという記事を書いていた同じ週刊誌だろうか?
 
 日刊ゲンダイのように「小沢が辞めたらこの国は真っ暗闇」「反民主の陰謀的避難」とまで書けとはいわない。(あまりにプロバカンダ的で下品だ。)
 
 だが、検察からの出頭命令や朝日新聞社本社からの圧力によって変節しはじめたとすると残念でならない。