この本は主に商学の分野の研究者によって書かれた、農産物直売所の成功事例を地域ブランドシリーズとしてその視点でまとめた本である。
実際の問題解決のためには、先行事例の研究とその成功要因の分析が欠かせないが、その点について豊富な事例で示唆を得るところが多い。
この本で挙げられている事例にはあまり目新しい発見はないものの、経営管理学的にも順当な事例が多く、その成功へのセオリーを再確認させてくれる。そしてそれはMBAで学んだ知識が営利企業のみならず、農村の地域経済活性化においても十分通用するという、私にとっての自信の一つともなった。
この書では、生活改善グループから発展した小規模な直売所、市町村や公社などがバックアップするもの、JAが全面的にバックアップする大規模なものにいたるまで、多種多様な事例が11組織挙げられている。いずれもそれぞれ明確な戦略をもち、ブランディングとマーケット開拓に成功して、高い付加価値を享受している。
最初の黎明期からの志の高さやビジネスの成長につれ、より一層経営者として、また地域活性化の担い手として進化していく人々の姿に感銘を覚えた。
いくつか事例を挙げるならば、農産物直売所を立ち上げるメンバーの主体の多くは、農村部の女性達の自主的な活動によるものであった件。
直売所は、農業従事者のメインストリームの流通経路からはみ出したアウトサイダーの流通経路として生まれてきた。そこで彼女たちは自主的な運営の試行錯誤により、イエ制度の中で単なる労働力であるヨメとしての存在から、「自分の名義の預金通帳」を持ち、ビジネスとしてお金を稼ぐ主体という自覚が生まれ、自然と経営者としての創意工夫と探求心が生まれていった経緯。
これらはJAに全面的に依存し、考えることを放棄した結果衰退してきた日本農業に対し、個々の農家がみずからリスクをとる、主体性をもった経営者として脱皮し、グローバリズムに負けない、ビジネスとしての農業を発展させていく道を示す示唆であるとも思える。
そして、流通のアウトサイダーとして発生したマイナーな存在だった直売所こそ、経営者としての自覚、マーケティングの大切さ、顧客とのコミュニケーションの必要性、コモディティとしての農作物から、有機栽培に特化したり、加工品にしたり、レストランを経営してサービス業とすることで付加価値をあげていく仕組みを自然と身につけていく、実地でのビジネススクールの側面だったことにも改めて感銘を受けた。
地域のブランディングには、地域の産業によって生み出された商品やサービスが、強力な媒体として武器となる。そして、それを無理無く持続させるためには参加者の満足度を上げていく必要がある。
この本には、そのヒントが具体的に示されている。
◇記者の「ブログ」「ホームページ」など
山田六郎weblog
http://www.yamada.org/rokuro/blog/
実際の問題解決のためには、先行事例の研究とその成功要因の分析が欠かせないが、その点について豊富な事例で示唆を得るところが多い。
この本で挙げられている事例にはあまり目新しい発見はないものの、経営管理学的にも順当な事例が多く、その成功へのセオリーを再確認させてくれる。そしてそれはMBAで学んだ知識が営利企業のみならず、農村の地域経済活性化においても十分通用するという、私にとっての自信の一つともなった。
この書では、生活改善グループから発展した小規模な直売所、市町村や公社などがバックアップするもの、JAが全面的にバックアップする大規模なものにいたるまで、多種多様な事例が11組織挙げられている。いずれもそれぞれ明確な戦略をもち、ブランディングとマーケット開拓に成功して、高い付加価値を享受している。
最初の黎明期からの志の高さやビジネスの成長につれ、より一層経営者として、また地域活性化の担い手として進化していく人々の姿に感銘を覚えた。
いくつか事例を挙げるならば、農産物直売所を立ち上げるメンバーの主体の多くは、農村部の女性達の自主的な活動によるものであった件。
直売所は、農業従事者のメインストリームの流通経路からはみ出したアウトサイダーの流通経路として生まれてきた。そこで彼女たちは自主的な運営の試行錯誤により、イエ制度の中で単なる労働力であるヨメとしての存在から、「自分の名義の預金通帳」を持ち、ビジネスとしてお金を稼ぐ主体という自覚が生まれ、自然と経営者としての創意工夫と探求心が生まれていった経緯。
これらはJAに全面的に依存し、考えることを放棄した結果衰退してきた日本農業に対し、個々の農家がみずからリスクをとる、主体性をもった経営者として脱皮し、グローバリズムに負けない、ビジネスとしての農業を発展させていく道を示す示唆であるとも思える。
そして、流通のアウトサイダーとして発生したマイナーな存在だった直売所こそ、経営者としての自覚、マーケティングの大切さ、顧客とのコミュニケーションの必要性、コモディティとしての農作物から、有機栽培に特化したり、加工品にしたり、レストランを経営してサービス業とすることで付加価値をあげていく仕組みを自然と身につけていく、実地でのビジネススクールの側面だったことにも改めて感銘を受けた。
地域のブランディングには、地域の産業によって生み出された商品やサービスが、強力な媒体として武器となる。そして、それを無理無く持続させるためには参加者の満足度を上げていく必要がある。
この本には、そのヒントが具体的に示されている。
◇記者の「ブログ」「ホームページ」など
山田六郎weblog
http://www.yamada.org/rokuro/blog/
