西山健一

 この本を読んでみたかったのは、一連の脳関係の本が流行になっている中で、どういう内容かな、という関心からだった。
 
 著者の川島隆太東北大学教授によれば、「音読を毎日の生活習慣とし、音読によって脳を鍛えていただくことができるように、企画いたしました」とある。つまり、名文を日々音読することで、脳を鍛えるものだ。
 
 音読、計算が脳にとって、効果的なトレーニングになるという。
 この本の使いかたは、簡単で、毎日、日本と外国の名文を読み、1年間続ける。365の名文があり、文章は1日少なくとも2回音読する。読んだら、作品が掲載してある上部のところに、日付を記入する。そして、月に1度、巻頭の色がついたストループテストをして、左右の「前頭前野」の働きを評価できる。
 
 早速始めてみた。1回目は『学問のすゝめ』、2回目は『吾輩は猫である』、3回目は『雨ニモマケズ』と音読を続けているが、日ごろ音読することがないので、小学生に戻ったようだ。1、2年ごろを思い出すと、教科書を拾い読みするのが精一杯だったこと、そして漢字がうまく読めなかったことを思い出す。
 
 この本を1年間続けることによって、多分日ごろ使っていない脳の部分が活性化されるだろう。そして、名文を読むことにより、内容を楽しむことができ、気分を新たに本を1冊読んでみようという気にもなる。
 
 私は音読が楽しくなった。それで脳が活性化するならおもしろい。継続が大切で、毎日音読をしていこうと思う。脳を鍛えるというよりも、名文を声を出して読む機会ができた喜びが大きい。