長島義明

 3月17日(日曜日)、左義長(さぎちょう)祭りが行われると云うので近江八幡(滋賀県)まで出かけた。
 近江八幡の旧市街は古い町並みが残り、八幡宮を中心にお掘の水が流れていて情緒のある町だ。
 となりは信長が城を築いた安土である。左義長祭りには信長が女ものの襦袢をきて女装をし参加したと云われている。その言い伝えの影響か、近年までは男が女装して左義長を担いでいたが今ではその姿はない。

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八幡宮参道に集る左義長の山車、近江八幡 (2010年3月17日、撮影・長島義明、以下同じ)


 なごりに長いハッピを着た男衆が各町内ごとに作られた左義長をかつぎ八幡宮の参道でぶつかり合う。左義長の飾りはその年の干支にちなんだ動物が飾られ、その上には真っ赤な布の短冊が炎の様にはためいている。

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異なる町内の左義長の山車がぶつかり力比べをする。近江八幡、八幡宮参道にて


 「マッセ、マッセーーー、チョウヤレ、チョウヤレ」と云うかけ声が上がり、左義長の山車がぐるぐると回される。他の町内の左義長とぶつかり男衆の力比べが始まり、相手の左義長を倒すのである。太鼓がドンドコ、ドンドコ、ドンドコ、と打ち流され、男衆は興奮状態になり、観客も興奮する。なかなか勇ましい祭りだ。

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近江八幡の掘り割りの上を行く左義長の山車


 夜にはこの左義長の山車に火がつけられ、炎の左義長祭りになる。
 
 左義長の山車は11あったがその内の一つを取り上げて左義長なるものの説明をしよう。
 魚屋町の左義長であるが命題は「虎と赤富士」で、山車の材料は、(青のり、タピオカ、一味唐辛子、あられ、ひじき、のり、お茶、しいたけ、ガム、ニンニク、えいのひれ、麻など)で作られている。制作意図も赤富士は大吉運を迎え、虎は一日千里を走る言い伝えから、あらゆる厄災を追い払う守護神で、家内安全、家内繁栄、家運隆盛を八幡宮に祈願するために奉納するのである。

 町内により左義長の命題は異なり「越後の虎」であったり、「天風の虎」であったりする。中には「虎ぬ他抜きの皮算用」のように愉快な命題の山車もあった。この山車の祈願は景気回復であった。
 
 旧市街の家々の玄関に祭り提灯と赤い短冊をつけた笹が飾られ、近江八幡の左義長祭りは正に早春の季節にふさわしく心なごむ祭りであった。
 
 ぽかぽか陽気で水もゆるむ掘り割りには、はや柳の新芽が吹き出し、白いモクレンの花が咲いていた。
 もう半月もすると桜が掘りを彩るだろう。
 祭りの余韻を楽しむべく私は地元の人が作ったおでんを肴にビールを飲んだ。
 
 
関連リンク
 近江八幡左義長まつり
 http://www.omi8.com/maturi/sagicho.htm#origin